ドタキャン帰国で露呈…金正恩式「イベント政治」の大問題
2012年には、金正恩氏の最高指導者「即位イベント」でのドンチャン騒ぎが引き金になり、凄惨な事件が多発した。同年4月10日、まずデイリーNKが「餓死者急増」の第一報を打つ。続いてアジアプレスが現地の状況を詳細に伝えるに及び、阿鼻叫喚の実態が伝わってきた。耳を疑うような「人肉事件」の証言さえ、多数含まれていた。
もっとも、こうした「イベント」依存の統治は、正恩氏に始まったことではない。
1989年には故金日成主席の誕生日イベント(4月15日)に間に合わせようと強引なペースで高速道路の建設を進めたために、橋梁が大量の労働者を乗せたまま崩落。後に韓国へ逃れた目撃者たちの証言によれば、現場は原形をとどめない死体が散乱し、救助の看護師たちが気を失うほどの地獄絵図と化したという。
つまり、北朝鮮の指導者たちが好んできた「イベント政治」は、国家の勢いをアピールしているように見えても、その裏側では体制の矛盾を増大させてきたというわけだ。
金正恩氏が、そんな「不都合な真実」に気付く日は来るのだろうか。
