マンション崩壊の修羅場で金正恩氏が驚きの行動「父親の時代なら考えられない」
金正恩氏の指示で合同告別式が行われ、党中央委員会財政経理部が主導して義援金集めを行い、死亡者1人あたり3000ドルが支払われた。また、マンションを改めて建設し無償で提供すると同時に、内装費9000ドルも負担した。
さらに、建設責任者で日本の警察庁長官に当たる崔富一(チェ・ブイル)人民保安部長、7総局のソヌ・ヒョンチョル局長、平壌市人民委員会(市役所)のチャ・ヒリム委員長(平壌市長)、平川区域のリ・ヨンシク党責任秘書らに、遺族に向かって謝罪させた。その様子は朝鮮労働党機関紙・労働新聞でも4面に写真入りで報じられた。権力が国民に謝罪するとは、北朝鮮においては前代未聞の出来事である。

事故直後に国防委員会(現国務委員会)設計局と常務局、内閣建設監督省が合同で調査を行った結果、本来は20階建てだったはずが勝手に23階建てに変更され、鉄筋が規定の3分の1しか入れられていないことが判明した。さらに平壌近郊の祥原(サンウォン)、順川(スンチョン)のセメント工場製の高強度セメントではなく、中国から取り寄せた不良品を使っていたこともわかった。
責任者はいずれも解任、左遷、降格の処分を受けた。ところが、李女史は何ら罪を問われていない。噂では、夫を通じて事故の調査担当者と、その上級機関である組織指導部にワイロを掴ませ、もみ消しを図ったようだ。その甲斐あってか、報告書から事故の背景と原因についての記述は大幅に抜け落ちている。
事故の遠因は、金正恩氏の後継者としての足場固めのために、金正日氏が無理に業績づくりをさせようとしたことにある。また、速度戦などと言った精神論を振りかざし、質を省みようとしない北朝鮮の旧態依然とした体制、根を下ろしはじめたばかりで、形骸化した計画経済の残滓と共存するいびつな資本主義もある。
人気記事:金正恩氏が反応「過激アンダーウェア」の美女モデル写真しかし、事故の教訓は生かされなかった。同じ年の10月、楽浪(ランラン)区域で建設中だった38階建てのマンションの一部が崩壊し、多くの死傷者が発生した。多発する事故を見た平壌市民はいま、新築マンションを恐れ、築20〜30年の古いマンションを好んでいるという。
